Sauna 100/サウナハンドレッド

唯一無二、都市と自然と人が交わる「Sauna 100」

新潟の都市ど真ん中に計画した「Sauna 100」は、心と身体を整え、新たな旅への一歩を踏み出すための温浴施設。
温度・湿度・光・風・音・香りを整えて、余計なノイズを徹底的に取り除くことで、深い集中ができる、最高に気持ち良い“100点満点のサウナ”を目指しています。

館内全体に、土・木・緑という自然素材をふんだんに使用。
壁には土の左官仕上げを施し、柔らかで温かみのある質感が包まれるような安心感を生み出します。木材は、サウナ特有の熱や湿度に適応しつつ、触れたときのぬくもりや心地よい香りを大切に。館内の随所に配された緑が、自然のやすらぎをもたらし、都市にいながらも、どこか屋外にいるような感覚を生み出します。

また、外気浴スペースのガラスに貼られた多様なフィルムが、光や影、人や車の動きを柔らかく映し出し、室内に溶け込ませます。土・緑・木で仕上げられた空間と調和することで、都市の中にいながらも、まるで新しい自然環境の中にいるような感覚を生み出します。天井には1/fゆらぎを感じられる木格子を設置。整いチェアに身を預け、天井を仰ぎ見ると、規則的でありながら微妙なランダム性を持つ木格子が、リズミカルで心地よい視覚的なゆらぎを生み出します。自然界に存在する1/fゆらぎが、無意識のうちに心を落ち着かせ、より深いリラックスへと導きます。

大サウナ室は、一般的な都市型サウナにありがちな閉塞感を取り払い、大きなガラス開口を設けた開放的な設計。そこからは坪庭の緑を眺め、その向こうに町の光が柔らかく透けるように配置。都市の喧騒を遮断しながらも、都市の気配を遠くに感じることで、都市と自然が交わる、落ち着きと開放感を同在させた空間が生まれます。

小サウナでは囲炉裏を囲むようにサウナストーブを中心に配置。ストーブを囲みながら、ゴロンと横になり、友と語らうことができる、新しくも懐かしい団欒の場を提供します。静かに自分と向き合う時間だけでなく、親しい人と心を通わせる時間も楽しめる、これまでにないサウナのかたちです。

また館内には、新潟の自然と都市の音をサンプリングし、編集した6つの楽曲が流れます。海や川のせせらぎ、松林を吹き抜ける風、屋根に落ちる雨、町の喧騒。サウナ、外気浴、水風呂、バーラウンジ、更衣室といった各空間に合わせて流れ、異なる尺の楽曲がズレながらも調和することで、空間そのものが有機的に呼吸するような体験を生み出します。
音があることで、余計な雑音が消え、深い没入感を促し、身体の感覚が研ぎ澄まされ、ここでの「整い」をより豊かなものにします。音があることでより静けさを感じる、そんな音に空間全体が充たされています。

「Sauna 100」は、ただ温まり整うための場所ではなく、新しい旅へと背中を押す場所。ここでの時間が、これから始まる未来への準備となり、心と身体を整え軽くする。
「整う」はゴールではなく、次のステップへの入り口。100点の体験の先にある101、102へと続く、新たな可能性を感じられる体験を提供します。

美しく待ち、美しく発つ。ここで過ごす時間が、あなたの次の一歩を後押しする。
100の先へ、新しい旅の入り口。それが「Sauna 100」です。





竣工
2025.5
種別
改修
用途
温浴施設
規模
206.7㎡
構造
鉄骨造
所在
新潟県新潟市中央区
設計
EA(担当 間・斎藤)
施工
廣瀬(担当 辰口) スキル新潟(担当 小柳) ハブサウナ(担当 冨田) BSA / Woodpecker(担当 池高)
造園
SCAPE(担当 町屋)
音楽
ベジタブルレコード(担当 林 三上)
VI
Frame (担当 石川 長谷川)
撮影
© 藤井浩司(toreal)

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